日本での外国人差別。無意識でも、相手は傷ついているかもしれません。

私の妻は、アルゼンチン出身です。

日本には10代の頃から住んでおり、日本語はとても流ちょうです。このブログに書いてある内容のことは理解できますし、妻が執筆しているものもあります。(もちろん、私が監修していますが)

アルゼンチン人なので、いくら日本語が上手で、日本の在住歴が母国よりも長くても、見た目は外国人です。(妻はハーフでもクォーターでもありません)

日本人はどちらかというと、ヨーロッパやアメリカ等の白人中心の国への旅行も多いことから、差別される側の意識があると思います。逆に自分たちが外国人差別をしている、してしまったという認識はほとんどないと思います。

ですが、日常生活の何気ないところで、相手は差別されたと感じてしまうことがあります。いじめと同じで、相手がいじめと感じたらいじめなのです。

今回の記事では、日常生活の何気ないところで起きる・起こりうる外国人への差別について、お話ししたいと思います。

1.自分の顔を見て話しかけない

店員さん
いらっしゃいませー!ご注文はお決まりですか?(私の顔を見ながら)
Aセットと、Bセット。あとそれぞれドリンクバーで。(パーフェクトな日本語)
店員さん
(挙動不審になり私の顔を凝視しながら)あ、えAセットとBセットですね。あ、あとドリンクバー。お間違いないでしょうか。
いいですよー。

上記のやり取りは妻と食事に出かけたときの一幕ですが、日常茶飯事です。

妻の隣にいる日本人男性がきっとしゃべるだろう、彼しか言葉が通じないだろうと思い込み、私に日本語でひたすら話しかけてくるパターンです。

心理的には、理解はできます。仮に中国人とコテコテのアメリカ人がいたら、ついつい中国人の方へ話しかけてしまうと思います。

ですが、丁寧な日本語で話しかけているのにも関わらず、自分の方を見てくれなかったら、どう思いますか?

仮にあなたが一生懸命英語を学んで、外国人の彼氏と憧れの海外旅行へ行ったとしましょう。彼の母国で食事を楽しもうと入店し、自分で頑張ってオーダーしても、店員さんは自分に話しかけません。彼に確認を取っています。

100%差別されたと感じますよね?アイツの英語は理解できないと思われたと感じますよね?

意外と洋服店は大丈夫なのですが、飲食店だとこのケース、多いんですよ。

最近の妻と私の流行は、私が日本語話せない日系アメリカ人で、彼女は日本語ペラペラの在留外国人という設定でお店に入ることです(笑)。迷惑かけてすいません。

2.アパートへの入居拒否

同棲の際に物件を選んでいた時のことです。

ここがいいんじゃない?駅から近いし、値段も安いし。
そうだね、ここにしよう。
不動産屋さん
大変申し訳ございません、こちらの物件ですが、オーナーさんが日本人のみの入居としたいというご意向でして・・・、いや、奥様はとても日本語が堪能ですし、掛け合ってみたいとは思いますが、かなり厳しいかと・・・。

ある意味、わかりやすい事例ですね。外国人であることを理由に入居を断られました。(私が保証人としているにもかかわらず!)不動産屋さんも一生懸命話してくれたんですがね・・・。

まぁ事情はわかるんですよ。話を聞くに、以前外国人入居者を受け入れた際、騒音や滞納などのトラブルを起こされ散々であったと。オーナーとしてはある意味適切なリスクヘッジなのかもしれません。

ですが一律に「外国人お断り」とされるのは、やっぱり嫌ですよね。日本に外国人は来るなってことか?と言ってやりたい気持ちにもなります。

3.ガイジンという言葉

日本人は、「外国人」の略称として「外人」という言葉を使います。

「外人」という単語自体は、差別用語として使っているわけではない。それは日本人の感覚として合っていると思います。

ただし、それをどう受け止めるかは受け手の問題。

日本在住の外国人は、小さい頃から

「あ、外人だ!」

「〇〇ちゃんのお父さん、外人なんだって!」

このように、自分たちのことを何か別のモノのような目で見られてきた境遇の人が多いのです。

ですから、悪気がなくとも、「ガイジン」という言葉は使わないようにしましょう。

4.肌色という言葉は使わない

洋服を選ぶときなどで、薄いベージュ~薄いオレンジ系の色を指すとき、日本人はついつい「肌色」という言葉を使ってしまいます。

これは結構アウトな言葉で、人種差別の中でもヘビーなのは外見、肌の色の差別。それを露骨にしてしまっているのがこの言葉です。

妻の肌の色は、いわゆる褐色系です。肌色といわれる色ではありません。

今ではクレヨンや色鉛筆では、「ペールオレンジ」「うすだいだい」といった表記に替わっているようですが、家庭内では結局「肌色」というので、あまり認識は変わっていないようです。

洋服の店員さんから言われたことはありませんが、わたしでも日常会話でやってしまいそうな類のものです。無意識の発言とはいえ、肌の色の問題は根深いです。デリケートな問題だということを認識して、決して「肌色」という言葉を使わないようにしましょう。

自分も加害者になり得るという自覚を持とう

上記に述べた事例は、ほんの一例です。

たった4つの事例の中でも、「あ、やってしまいそう。」「やばい。やっちゃったことあるわ・・。」と思うものがあったのではないでしょうか。

仮に自分が差別的な言動をしてしまったとしても、それまでの信頼関係があれば、相手はあなたに悪気がないことは理解してくれるでしょう。だからこそ、何も言わないということもあると思います。

ですが、差別は心の傷ですので、とても長い間残ります。

妻からの話で、「それはさすがに考えすぎでは?」と思うこともありますが、それほどまでに当事者にとっては不快で、二度と経験したくないものなのです。

これからますます多文化共生が叫ばれる時代になります。海外の人は「外国人」と呼ばれますが、見た目は異なれど、あなたと同じ人間であり、日本人と同じ心を持っている人たちだってたくさんいます。

「知らない」ことは罪ではありません。

今回の記事を読んでくださった読者の方は、日常生活に潜む差別の危険性を感じ取っていただけたと思います。一度理解できれば難しいことはありません。外国人の方とコミュニケーションを取るとき、少しでも配慮ができるようになってもらえれば幸いです。

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