こんにちは、Mr.&Mrs.305です。
私たちは、
旦那:日本人(純ジャパ)
妻:アルゼンチン人(日本語ペラペラ)
の国際結婚夫婦です。
この前、同僚がこのような会話をしていました。
それを聞いて、「いや、絶対にそれトリックあるやろ」と思い、世に言う「離婚率」という言葉について、調べてみました。
特殊離婚率という数字
巷に出回っている噂、
- 日本では3組に1組が離婚
- 国際結婚の離婚率は70%
これらの数字のソースとなっているものが、この「特殊離婚率」という言葉です。
まったく、メディアというものは本当に数字の意味を説明せず、平気でミスリードを行いますよね。だから、私はメディアは嫌いです(笑)。
普通、離婚率と聞くと皆さんが思い浮かべる意味は「結婚した1組の夫婦が、離婚する確率」ですよね。
メディアが面白おかしく使う「特殊離婚率」は、「結婚した1組の夫婦が、離婚する確率」という意味で使用すべきものではありません。
「特殊離婚率」とは、下記の数式にて算出される数字です。
特殊離婚率=その年の離婚件数 / その年の婚姻件数
上記にある通り、特殊離婚率とは、その年の婚姻件数に対しての離婚率を示しています。
これがなぜミスリードかというと、「日本人の離婚率」と表現するには算出方法がおかしいのです。「その年の婚姻件数」と「その年の離婚件数」を使って割合を出すって、何かおかしいと思いませんか?
理解が早い人は、もうピンと来たはず。
「その年の婚姻件数」は1年間で結婚した人たち、これはいいですね。しかし「その年の離婚件数」は、今年結婚した夫婦も、50年前に結婚した夫婦も混ぜたすべての夫婦の中で、離婚した人たちの数です。
それは高い数字となるに決まってますよね。母数が違いますから。
仮に、対象となる夫婦の婚姻期間が1年未満の場合にのみ、正しい数字ということになりますね。
このように、どういった根拠を持つ数字なのかということをきちんと理解しておかないと、メディアに踊らされてしまいます。
ちなみに、特殊離婚率を最新のデータ(H26外国人含む人口動態調査)を用いて算出すると、下記の通りになります。
全体の特殊離婚率 = 35.1% (232,821/663,740)
◆日本人同士 = 33.8% (216,187/639,125)
◆国際結婚(外国人同士含む) = 67.6% (16,634/24,615)
なるほど、「日本人は3組に1人が離婚する」「国際結婚は70%が離婚する」という数字に近しい結果が出てきました。
この特殊離婚率について、どういう意味で算出しているのかは、正直よくわかりません。
そして当然、国は我々が本当の意味で知りたい「離婚率」について、算出をしています。
正しい意味での離婚率は?
われらが厚生労働省さまが、きちんと算出をしております。
平成29年度の人口動態推計によると、
離婚率(‰)=年間離婚届出件数/10月1日時点の総人口 ×1,000
という計算方法にて算出されるようになっており、これの意味するところは、「人口1,000人当たりの離婚する割合」になります。
ちなみに、単位はパーセント(%)ではなくパーミル(‰)ですので、注意してください。
平成29年度の人口動態推計では、離婚率は1.70‰とされています。
このような声が再び聞こえてきますので、きちんとお調べいたしました。
世界の離婚率
総務省統計局の「世界の統計(2017)」を参照することで、世界の離婚率を調べることができます。
順位 | 国名 | 離婚率(‰) |
1位 | ロシア | 4.5 |
2位 | ベラルーシ | 3.7 |
3位 | デンマーク | 3.4 |
4位 | リトアニア | 3.3 |
5位 | ラトビア | 3.1 |
おそるべしはロシア。さすがにおそロシアといったところでしょう。驚愕の4.5‰!日本の2.5倍で、他国と比べてもずば抜けていますね。ロシア人は気が強い人が多いのでしょうか・・・。周りに知り合いがいないので、ロシアの離婚率がなぜ高いかご存知の方は、ぜひともご教示ください(笑)。
2017年の日本の離婚率は1.8となっており、真ん中よりやや下に位置しておりました。相対的にはやはりアジアは低く、欧米は高い傾向となっています。
ちなみに最も離婚率の低い国は「グアテマラ」で、その数字はなんと0.3!若干本当かどうか怪しいですが、おそらく宗教的な背景なんかも、影響しているのではと、勝手に妄想しています。
まとめ
- 「離婚率」という言葉で使われる数字には、統計的には2つの数字がある。
- メディアは数字のインパクトがある「特殊離婚率」を好んで使うが、これは1年間における離婚件数を婚姻件数で割ったものであり、現実と乖離した数字となっている。
- 国際結婚は70%が離婚、日本人夫婦の3組に1組が離婚という情報は、全くのデマ。
- 1,000人当たりの離婚率は厚生労働省が算出しており、この数字は世界的にも使われている。日本の数字は1.7‰で、世界的には低めの水準である。