


国際結婚や国際恋愛をしている場合、英語か日本語いずれかの言語でコミュニケーションをとっていることがほとんどかと思います。
当人同士だと拙い英語や日本語レベルでよいかと思いますが、友達を交えて会話をする場合や、結婚で両親へ紹介する時など、高いレベルでの日本語を求められる場面が必ずあると思います。
そこで気になる点は、外国人は日本語を高いレベルで習得ができるのか?という点です。
著者である私とアルゼンチン人である妻は日本語で会話をしており、妻は一人で役所で公的書類を申請できるレベルにまで達しています。
どうすればそのレベルに到達できるのか、どのくらい時間がかかるのかなど、妻の実例をもとにお話ししたいと思います。
- 外国人は日本語を高いレベルで習得できるのか
- どのくらい時間がかかるのか
- 日本語のレベルを図る客観的な手段はあるのか
目次
外国人は日本語ペラペラになれるのか?
日本国内にいても外国語を話しているイメージが強い外国人。
世間一般では、日本語を外国人が習得することはとても難しいと考えられています。
実際に、日本語をネイティブ並み(=日本人並み)に話せる外国人は、いるのでしょうか。また、どういった境遇の人たちなのでしょうか。
ネイティブレベルはほんの一握り
日本人並みに日本語を話すことができる外国人は、ほんの一握りしかいません。
- 役所で各種申請ができる
- 日本人だけの職場で仕事ができる
- 会話の上で外国人かどうか判別ができない
私の30年程度の人生において、上記のレベルに達している外国人と出会ったのは妻と、大学時代の教授の2人だけです。
このレベルに達するには、膨大な時間と労力が必要であり、必ず必要な条件があります。
日本の学校への就学経験は必須
2人の共通項として、妻は日本の中学校の就学経験が、大学教授は大学院の就学経験があります。
いずれの2者も、いわゆる日本語学校には通っておりません。
妻は丸3年、教授は丸2年もの間、日本語漬けで暮らしたわけです。
特に妻の場合は、全く日本語の免疫がない状態で日本へ来たため、「日本語が使えなければ何もできない。」という環境へ放り込まれたわけです。
幼稚園児と同様にひらがなからスタートしているにも関わらず、日本語しかコミュニケーションツールがないという特殊な環境に置かれることで、日本語の習得ができたと考えられます。もちろん、頭の柔らかい時期ということも、大きな要素だと思います。
ちなみに大学教授は4,5か国語をマスターしており言語学の修士号を取得しています。妻が先天的に日本語に触れる機会があったのに対し、後天的に日本語を学び始めたケースです。
彼の場合はマルチリンガルであり、大学院で言語学を専攻しているくらいですから、ノウハウや地頭の良さもプラス要因だったと考えられます。
このような特殊な環境下で育った、学んだ経験があることが、日本語をネイティブ並みに話すことには必要な条件だと思います。
普通の外国人が到達できるレベルは?
日常会話レベルがボリュームゾーン
俗にいう日常会話レベルに達することは、ほとんどの場合可能だと思います。
日本語学校に行き、半年から1年程度きちんと学べば、日本人ともある程度のコミュニケーションは取れると思います。
ただし、母国語特有の発音の矯正や、漢字の読解については、まだまだ追いつかず、あくまでも観光や関係の浅い友人レベルでの会話にとどまります。
英語圏に1年程度留学していた人も、おおむね同じレベルですよね。現地でのアルバイトや、友人関係の構築はできるものの、その先にある「就労」「(大学以上の)就学」「ディスカッション」には、まだまだ追いつかないというレベルです。
ここから先のレベルへ進むには、相当な個人の努力、周囲の環境が必要になってきます。
外国人が受けるべき日本語の資格試験
世界で実施されている日本語能力試験(JLPT)
英語の試験というと、
- TOEIC
- TOEFL
- IELTS
- 英検
- ケンブリッジ英検etc...
数えきれないほどの資格・試験があります。
でも日本語の試験て、あまり聞いたことないですよね。
日本語の資格試験としては、「日本語能力試験(JLPT)」という試験が最もメジャーであり、国内47都道府県、海外85か国、245の都市で実施がされています。
日本語能力試験は、日本語を母語としない人の日本語能力を測定し認定する試験として、国際交流基金と日本国際教育協会(現日本国際教育支援協会)が1984 年に開始しました。開始当初の受験者数は全世界で7,000人ほどでしたが、2011年の受験者数は全世界で約61万人にのぼり、世界最大規模の日本語の試験となっています。
(日本語能力試験HPより抜粋)
日本語能力試験の内容、レベルは?
TOEICやTOEFL試験では、全受験者が同じ問題を解き、得点を競う試験となっておりますが、日本語能力試験は英検と同じスタイルで、各級ごとに問題が異なる試験となっております。
試験内容は「読解」と「聞き取り」で構成されており、「面接試験」はありません。
全5級からなっており、各級のレベルは下記の通りとなっています(N1が最も難しく、N5が最も簡単)
N1:幅広い場面で使われる日本語を理解することができる
N2:日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N4:基本的な日本語を理解することができる
N5:基本的な日本語をある程度理解することができる
TOEICと同じでスピーキングの試験がない点が欠点なのですが、問題はとても精巧に作られていて、N1のレベルでは平均的な日本人の中学生と同じレベルでの読み書き、聞き取り能力が求められます。
ちなみに妻は何も勉強しなくてもN2は受かりました。
さすがにN1は難しいようで、日本語ペラペラの妻でも、きちんと勉強をしないと合格は難しそうです。今年の夏にトライするので、結果はあとで報告します!
まとめ
- 外国人が日本語を日本人並みに話すためには、日本語学校ではない、日本人と同じ教育課程である「学校への就学」が必要。(数年かかる)
- 日常会話レベルならば、日本語学校(いわゆる語学学校)で半年から1年程度学べばできるようになる。
- 日本語の能力を測る試験としては、「日本語能力試験」が最もメジャーな試験。スピーキングはなく読解と聞き取りだけの試験である。