日本での披露宴で外せないものに、「余興」があります。
日本独自の文化であり、外国人にとってはあまり馴染みがないものです。
国際結婚などで外国人ゲストが多い場合は、そもそも余興を頼む相手がいない、ゲストに理解してもらえるかなど、様々な不安や問題が考えられると思います。
私は日本人ですがアルゼンチン人の妻と日本で挙式をしました。その経験を元に、外国人ゲストへどのような対応、ケアをすべきか説明したいと思います。
海外に余興の文化はない
まず前提として、海外に余興の文化はありません。
海外の披露宴は、新郎新婦を夜通しお祝いするものなので、日本のようにきっちり時間が決まっているわけでもありません。
日本はビジネス色が強く、独自で披露宴の文化を作り上げているため、外国人に理解を求めるのは少し難しい点が多いというのが現状です。
その中でも余興については、もともと身内色が強く、日本人同士の披露宴でも盛り上がるところがわからないこともありますよね。日本語が不自由な外国人なら、なおのこと意味不明な時間です。
外国人の友人に対して余興をお願いすることはもってのほかですし、外国人ゲストが複数いる場で、日本人の身内しかわからない余興を行うことは避けるべきでしょう。
自分たちで盛り上げるしかない
外国人ゲストは、日本語が不自由であることが多く、また新郎新婦とのふれあいを楽しみにしています。
日本人的なあるあるで「結婚式で進路新婦と話すことができなかった」ということは断じて理解をしていただけません。
我々も国際結婚夫婦であり、この点はとても悩みました。遠くから来てもらったゲストがいるのに、意味がよくわからず時間が過ぎるということは避けたい。新郎新婦との思い出を共有できるようにしたい。
結論としては、新郎新婦が自分たちで、場を盛り上げることがベストだと考えました。
自分たちで盛り上げれば、その場にいるゲスト全員と思い出を共有できます。それも言葉に頼らなければ、なおのことよし。
実際に私たちが行った自前の余興?について、事例をご紹介させていただければと思います。
事例①:ファーストダンス
割と海外では広く行われている新郎新婦の晴れ舞台(?)の場です。
新郎新婦が大体1曲分、ダンスを披露します。
もちろんパフォーマーのようにキレッキレで踊る必要はなく、リズムに合わせて体をゆらす程度のもので全然OKです。
私の場合は妻が南米出身ということもあり、何度かインストラクターの元へ個人レッスンを受けましたけど(笑)。
そしてダンスを披露し会場が最高潮?になったところで、会場全体でダンスタイム!というのが王道の流れとなっています。
我々は日本人ゲストの方が多かったので、ダンスタイムは省略しました。外国人ゲストが多い場合は、ダンスタイムを取り入れてもよいかもしれません。
事例②:テキーララウンド(テーブルラウンド)
再入場した後、各テーブルを回っていくテーブルラウンド。
新郎新婦との数少ないシャッターチャンスですが、写真を撮ってほぼ会話できずに終わることが多いと思います。(何より新郎新婦が緊張していて声が届かないんですよね・・・。)
そこで我々は考えました。
ただ単にテーブルを回って会話ができないなら、なんの意味もないと。
ファーストダンスで温まった会場を最高潮に持っていくには、どういった手段が考えられるかと。
出した答えは「テキーララウンド」。
新郎新婦がロウソクの代わりにテキーラボトルを持って回るというクレイジーな試みを行いました。もちろんスタートの音楽は「Shots/Lmfao feat Lil Jon」です。
会場は大盛り上がりで、誰もが忘れられないパーティにすることができました。
もちろん、我々はテキーラをブンブンしたわけですが、その他にもアイデアはあると思いますので、夫婦のカラーに合った方法でよいと思います。
何もしないという選択もアリ
第三の選択肢として、催しものを一切やらないということもアリかと思います。
日本スタイルの結婚式だと、どうしても会場借用の都合上時間が限られてしまうため、スピーチがどれだけ円滑に終わっても、余興が短くても、新郎新婦と話す時間が本当にありません。
ちょっと時間が押してしまい、声をかけることができなかったという人もいるかと思います。
遠く海外からのゲストに対して、それではあんまりだと思いますので、あえて催し物は一切せず、ゲストとふれあう時間を設けるということも一つの手段だと思います。
式場の中には、通常の披露宴の時間にプラスして、そのような語らいの場を設けることをウリにしている式場もありますので、探してみるのも手かもしれません。